
三味線のご紹介
三味線は沖縄から!?
三味線というと「太鼓の部分が蛇の皮なんですよね?」
とよく言われるのですが、皆さんご存知なのは現在の三味線の原型であります
沖縄の「三線(さんしん)」のイメージが強い様です。
ちょっと小ぶりで蛇の皮を張ってある三線。
沖縄のにぎやかなリズムと明るいメロディーが印象的ですが、
実はこの三線が現在の三味線の元になっているんです!
アジアからやってきた
かつては琉球と呼ばれていた沖縄、地理的にアジアの国々との交流が盛んで、
14世紀末頃に中国から三線の原型となる「三絃(サンスェン)」が持ち込まれました。
あ、この発音が「サンスェン→サンシン→三線」となった訳ですね!
そしてその三絃を使った音楽が琉球王国の宮廷音楽として発展し、
その後大阪の堺に伝えられ三味線として普及したというのが始まりだそうです。
進化する三味線
本土に伝わった三味線はニシキヘビなどの皮を使用する代わりに
猫や犬の皮を胴に張り、サイズも小ぶりな三線とは違い大きくなりました。
使用される音楽の種類によって三味線の種類も変わって行き、
その特徴が1番表れているのが棹の太さ、ギターでいうネックの部分になります。
この棹の太さが細い物は歌舞伎でお馴染みの長唄に、中棹は地唄などに、
津軽三味線は太棹を使用し、そのジャンル毎の特色が良く表れています。
三味線の素材
棹の部分は紅木というインド等で取れるとても重くて硬い木材が使用されています。
弦は絹糸を縒って作られていて、こちらも使用するジャンルや楽器に合わせて太さを変えます。
弦の色は黄色なのですが、これは染料にウコンを使用している為だそうです。
防虫効果があるとか・・・昔の方々の知恵は凄いですね!
糸を巻くペグの部分は象牙だったり、演奏に使う撥は鼈甲だったり、
現在では輸入禁止された素材を伝統的に使用していますのでとても希少で高価ですが、
現在は合成樹脂等に代替されたり、皮革の代わりに新たな素材の開発がされている様で、
今後の文化の継承の観点からも是非とも力を入れていただきたいですね。
洋楽器とのコラボレーション
最近では津軽三味線の世界で洋楽器との演奏機会が増え、
問題になるのが音量の問題です。当然三味線には電気的に音量を増幅するアンプなどが
付いていない為、いくらマイクを通してもバランスが悪くなってしまうのです。
そこで登場したのが「エレキ三味線」
胴の部分にピックアップマイクを仕込む事により、
増幅してもハウリング無く洋楽器に負けない音量を獲得する事が出来ました。
しかしながら三味線本来の音色にはまだ程遠く、現在も日々改良が加えられ進化している様です。
最後に
現代ではなかなか実際に聞く機会の無い三味線ですが、
動画等の音源で聴くのと目の前のライブで聴くのとでは全く違う印象があります。
是非子供達にテレビやネットでは伝わらない、生の和楽器の奥深さを感じて欲しいなと思っています。