尺八|幼稚園イベントはこども和楽器コンサート

尺八
尺八って

「尺八」と聞いて、皆さんはどんな音を想像しますか?「笛?」そうそう、日本に古くからある笛の一つです!「お祭りでピーヒャラって」惜しい!それは篠笛という別の楽器です。「おじいさんが難しい顔をして、フォ~ってやってる」うーん、間違いではないですが。尺八というのは名前こそ知られているけどなかなかその音までは皆さんに馴染みの薄い楽器のようです。今ではいろいろなジャンルで使われており、若い演奏家もたくさん活躍しているのですよ!

大陸からやってきた

尺八は日本に古くからある竹で出来た縦笛です。もともとは他の多くの和楽器と同じく、中国から渡ってきました。7世紀末~8世紀はじめにやって来たと言われており、あの「正倉院」にも宝物として尺八が収められています。当時は宮中音楽や儀式のために演奏されていたようで、名前こそ尺八といいますが、根の部分を使っていない、穴が6つある、など現在の尺八とは姿形も違ったものでした。

尺八の衰退と再流行

しかしこの古代尺八は次第に演奏されなくなり、平安時代には宮中音楽や儀式では使われないようになりましたが、江戸時代に入ると「普化宗」という禅のお坊さん「虚無僧」が尺八を修行のために演奏するようになりました。この虚無僧の吹いていた「普化尺八」が現代尺八の直接のご先祖様です。

自分でも作れそう?!

尺八は見ての通り、竹をそのまま使ってある自然そのものの楽器ですが、竹の中でも「真竹」という種類の竹でできています。穴は前面に4つと裏に1つ、たった5しか空いていません。パッと見ただけではただ竹を切って穴を開けただけのように見えますが、内側は音程と音量の調整のために「地」と呼ばれる砥粉や漆を混ぜ合わせたパテの様なもので巧みに整形されており、吹き口には補強の為に象牙や水牛の角を削って埋め込んであります。現代の尺八は真ん中で二本に分けることができ、その切り口の処理には「籐」を巻いて美しく仕上げてあります。このように尺八はシンプルな楽器ですが、細部に職人さん達の知恵と経験が詰まっており、決して簡単なものではありません。

グローバルな楽器

現代に入ると尺八はさらに飛躍します。その世界に類を見ない独自の表現力は国内外の音楽家の注目を浴び、戦後には尺八を取り入れたオーケストラ作品なども生まれています。ジャズやロックなどの軽音楽にも盛んに使われるようになりようになり、現在ではメジャーデビューする尺八の入ったバンドも生まれました。尺八は和楽器の中でも特に海外で人気の高い楽器で、その深い精神性を備えた神秘的な音色は世界中に愛好家を産み出し続けています。

不自由は自由!

尺八は楽器の構造としてはとてもシンプルなものです。穴もたった5つしかない不自由なものです。しかしそれは裏返せば、演奏者の技量次第でどのようなものでも表現できるとても自由な楽器だとも言え、今ではジャンルの垣根を越えて様々な場で尺八が活躍しています。是非尺八の生の音色を目の前で体感してください!

文:尺八演奏家 松本宏平